株を購入すると配当金は必ずもらえるのか?

証券

2021年のネット証券口座開設数に関して、大手2社であるSBI証券と楽天証券はともに累計700万口座を突破しました。

この一年でともに100万口座以上の開設数を記録しており、株式投資が身近になっていると実感できます。

そんな株式投資の魅力の一つに配当金を得られることがあります。

配当金をもらって不労所得での生活を夢見ている方もいるのではないでしょうか。

しかし、ここで注意が必要です。

株を購入すると必ず配当金がもらえる訳ではありません。

その理由を知るためには、まず配当金とは何かを理解する必要があります。

配当金とは、企業が得た利益の一部を株主に還元する際に分配するお金のことです。

事業の開始時や拡大には多額の資金が必要となるケースがあり、企業は株を発行して投資家から資金を調達します。

つまり、事業を展開して利益を得ることができるのは出資してくれる投資家たちのおかげなのです。

そんな投資家たちへのお礼として企業は配当金を設定しています。

では、なぜ必ず配当金がもらえる訳ではないのでしょうか。

それは、企業によって投資家に対するお礼の考え方が異なるからです。

配当金を設定している企業は、利益の一部を配当金として配ることで感謝の気持ちを表しています。

一方で、Amazonのように配当金を設定していない企業は得た利益をさらに事業発展に費やすことで企業価値を高め、株価を上げて投資家にも利益をもたらそうという考えをもっています。

例えば一年で100億円の利益を生み出し、内部留保として50億円を確保する企業があるとしましょう。

残りの50億円から5億円を配当金に充てると、企業が再投資できる金額は45億円になります。

ここで、後者のような配当金を設定していない企業は内部留保を除いた50億円を再投資に費やすことができるのです。

その結果、企業価値が高まり、株価が上昇することで投資家の含み益も増えます。

ただし再投資に回す額が大きいからと言って事業が成功するとは限らないため、配当を設定せず事業に再投資することが必ず企業価値の向上に繋がる訳ではありません。

一概にどちらが良い考え方かとは答えることができませんが、配当金の有無に関しては上記のような株主に対する利益還元の考え方の違いによります。

次に配当金の有無を確認する方法を伝えます。

せっかく配当金目的で株を購入したが、配当を設定していない企業だったなんてことを防ぐために購入前の確認は必須です。

確認方法とは、購入する際に銘柄の配当利回りをチェックすることです。

配当利回りとは株価に対する一年間の配当金の割合を指し、企業ホームページのIR情報や、ネット証券の銘柄ページに記載されています。

例えば配当利回りが5%で株価100円の銘柄があるとすると、1株あたり5円の配当金がもらえることになります。

配当利回りが0%だと配当金はもらえません。

ちなみに、配当利回りは変動することが多々あります。

増配といって「業績が良かったので配当を多く出します」と配当利回りを増やすパターンや、減配といって「思ったよりも利益が出なかったので配当を減らします」というパターン等があります。

時には「赤字となり配当が出せなくなりました」という無配転落のパターンもあります。

従って、購入時だけではなく購入後も定期的に所持銘柄のニュースの確認が必要です。

以上、配当金の仕組みと企業の配当金に対する考え方を理解することで株を購入すると必ず配当金がもらえるとは限らないということが分かったかと思います。

配当金による不労所得で生活を楽にするためにも、しっかりと仕組みを理解して上手く活用していきましょう!

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